2026/05/04
こんにちは。西方ファミリー歯科の理事長、金子です。
越谷にお住まいの皆様に、昨年保健センターで行わさせて頂きました、講演会のダイジェストの第3弾をお届けします。今回は、前回お話しした糖尿病以外にも、歯周病が全身の健康を脅かす驚きの実態について、歴史的な背景を交えてお話しします。
1. 100年前の衝撃的な実験:歯と病気の因果関係
実は、お口の感染症が全身に悪影響を及ぼすことは、100年以上前から研究されていました。アメリカのウェストン・プライス博士が行った実験では、全身に病気を持つ患者さんの抜いた歯をウサギに移植したところ、なんとそのウサギも同じ病気(心臓病や関節疾患など)を発症したという記録が残っています。これは「歯科の慢性感染が全身の健康を蝕む」という事実を、当時から示唆していたのです。
2. 心臓病や脳出血のリスクを高める「特定の菌」
お口の中の細菌の中でも、特に「レッドコンプレックス」と呼ばれる悪玉菌グループには注意が必要です。これらが血管を通じて心臓に入ると、狭心症や心筋梗塞の原因となります。また、日本人の5人に1人が持っているとされる特殊なタイプの虫歯菌(ミュータンス菌)は、脳出血のリスクを4.7倍も高めることが分かっています。血管を傷つけ、血を止める作用を妨げてしまうのです。
3. アルツハイマー型認知症やリウマチとの深い関わり
最新の研究では、歯周病菌の一種(PG菌など)が脳内に侵入し、アルツハイマー型認知症の発症に関与していることも分かってきています。さらに、リウマチ専門医による論文では、適切な歯科治療を行うことでリウマチの炎症指標(CRPなど)が有意に改善したという報告もあります。お口のケアは、まさに全身の炎症を抑える治療そのものなのです。
4. 高齢者に多い「誤嚥性肺炎」の予防にも
体力が低下した高齢者の方は、寝ている間に唾液が肺に入ってしまうことがあります。この時、お口の中が不潔だと細菌も一緒に肺に入り、「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こします。お口を清潔に保つことは、呼吸器の健康を守ることにも直結します。
5. まとめ:一生健康で過ごすための「お口の守り」
「歯周病を予防することは、あらゆる生活習慣病の予防に繋がる」と言っても過言ではありません。当院では、38年の臨床経験に基づき、患者様一人ひとりの全身疾患のリスクも考慮したメンテナンスをご提案しています。お口の健康から、100年続く健康な体作りを始めてみませんか?
さらに詳しい歴史やメカニズムについては、YouTube動画でも詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
【動画はこちら】越谷市市民向け講演会 パート3(心疾患・認知症・リウマチと歯周病)
